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2021.4.12 OTHERS ブルーライトカットレンズ, メガネについて

ブルーライトカットレンズをかけている人

話題のブルーライトカットレンズは効果はあるの?子供にはNG?元眼鏡屋店員の見解

近年デジタルデバイスがあふれる中で耳にするようになった、ブルーライトカットレンズ。3プライスチェーン店では注力商品としているところも少なくありません。

「実際ブルーライトカットレンズは効果があるの?」

「かけておいた方がいいの?」

今回はブルーライトカットレンズについて、元眼鏡屋店員の立場から詳しくお話しします!

ブルーライトカットレンズとは?

ブルーライトカットレンズが入っている眼鏡

そもそもブルーライトとは、光の中の可視光線(目に見える光)の一部のことを指します。液晶画面からはもちろん、白熱電球や太陽光からもブルーライトは発生しています。

ブルーライトカット商品が謳っているブルーライトの悪影響として

・眼精疲労の原因になりうる

・睡眠障害の原因になりうる

これらが挙げられます。

多くのブルーライトカット眼鏡は、そんなブルーライトを減らして目の負担を軽くしようというコンセプトで販売されています。

ブルーライトカットレンズはブルーになる?

3プライスチェーン店で取り扱われているポピュラーなレンズは黄味系のカラーですがブルー系、グリーン系やレッド系のレンズカラーのものも生産されています。

ブルーライトをどれだけカットするかによって吸収型/反射型などの仕様があり反射型のものはブルーの光を反射するのでレンズが青みがかって見えることもあります。

子供のメガネにブルーライトカットレンズはNGか

ブルーライトカットレンズをかけている子供

2021年4月14日、日本眼科学会・日本近視学会・日本小児眼科学会・日本弱視斜視学会・日本視能訓練士協会が共同で

『小児のブルーライトカットメガネ』に関するステートメントを発表しました。

(参照:『小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見』

その文書によると、子供の眼鏡にブルーライトカットレンズは推奨しないと述べられています。

理由としては、子供にとってある程度の太陽光を浴びることが心身の発育にとって重要で太陽光を十分に浴びないと近視進行のリスクが高まるのでブルーライトを恐れてブルーライトカットレンズをかけるより太陽光を十分に浴びない方が問題になりうるからとのこと。(ステートメントの中で述べられた子供の近視進行の部分については慶應義塾大学の鳥居秀成先生らが研究されている「バイオレットライト」の研究について示唆している?)

このステートメントに関して筆者が疑問に思うのは今やほとんどの眼鏡用レンズにUVカット加工がされていて近視抑制効果が期待されている光の波長もカットしているのに、なぜブルーライトカットレンズだけ気をつけなければいけないのかという点です。

普通の透明レンズや子供用のサングラスはどうなるのでしょう?まあブルーライトは恐れるほどの影響力はないよと言いたいのであろうけれども、そこらへんの詳細があまり無かったので引き続き情報収拾しようと思います。

ブルーライトカットレンズの効果について

ブルーライトカットレンズをかけて仕事をしている人

『小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見』では、ブルーライトカット眼鏡についてこのような言及がありました。

“現在、一般に販売されているブルーライトカット眼鏡は、デジタル端末使用時の睡眠障 害や眼精疲労の軽減、また眼球への障害を予防すると謳っています。このうち、いわゆる 体内時計とブルーライトの関係についてはいくつかの論文があり、夜遅くまでデジタル端 末の強い光を浴びると、睡眠障害をきたす恐れが指摘されています。従って、夕方以降に ブルーライトをカットすることには、一定の効果が見込まれる可能性はあります。しかし ながら、その他の点はエビデンスに乏しく、いくつかの問題点があります。”

(引用:『小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見』

液晶画面などを見た時の眼精疲労は主にまばたきの回数が減ることによって起こるもので夜寝る前までに多くブルーライトを浴びていると睡眠障害に影響が出る可能性はあるが、眼精疲労やその他ブルーライトカット眼鏡が謳っているブルーライトの悪影響は認められないとのこと。

大人がブルーライトカットレンズを使うという事

発表されたステートメントでは、子供にブルーライトカット眼鏡の装用を推奨する根拠はないとしています。大人に関してはどうなのかという点までは詳しく述べられていませんがステートメントの言いたい事としてはブルーライトカットレンズの装用を推奨する根拠はなく、商品の宣伝文句を鵜呑みにしないでというもの。推奨はしないとのことですが、排除すべきとまでは述べていません

色・光の感じ方は人それぞれ。実際ブルーライトカットレンズをかけて「画面の眩しさが楽になった」という方はたくさんいるでしょうし、「全く何も変わらず楽な感じは無かった」という方もたくさんいます。

大切なのはその人がかけてどう感じるかです。何も感じないという人がブルーライトカット眼鏡をかけても色味が変わってしまうデメリットだけです。

でももしブルーライトカット眼鏡をかけた方が今までよりも楽に感じるという方は使い続けていいのだと思います。だって楽なんですもの。という話です。

子供がブルーライトカットレンズを使うということ

ただ、子供の眼鏡に関しては難しい問題です。色や光をどのように感じるかを把握するのは眼鏡を使用する子供本人でも難しい場合が多いからです。

お子様の健康を願って親御さんがブルーライトカット眼鏡を購入するケースが大半なので親御さんたちはどうするべきか悩みますよね。

最近は学校や外部の教育ツールもデジタルなものが増えています。私の姪っ子が学校の宿題と言って学校から支給されたタブレットでパワーポイントのようなものを作っていた時には驚きました…。

屋内でのデジタル教材の使用、例えば学校の教室やお家で宿題をする時にはブルーライトカット眼鏡を使用しても差し支えないと思います。

今回紹介したステートメントの主張が間違いだとか正しいとは言いません。

親御さんは子供にデジタル教材やスマホなどを使用する際の正しい姿勢や距離、休憩を設けるなどを教えることも大切ですが、子供にとって少しでも有害な要素を排除したいという考えをお持ちの方はお子様本人が「見え方が気持ち悪い・なんか変だ」と感じない限りブルーライトカット眼鏡をかけてもらうという選択肢もあってはいいのではないかと筆者は思います。

まとめ

ブルーライトカット眼鏡は絶対的にかけてはいけないものでもないですし絶対的にかけなければいけないというものでもない曖昧なものです。

眼鏡屋さんが積極的にすすめるかどうかはお店の方針によって変わるものなので、行くお店によってブルーライトカット眼鏡の印象も左右されます。

ブルーライトカット商品があふれる世の中ですが、どのような選択肢を取るかはかけるその人自身の問題。

結局ブルーライトはじゃんじゃん浴びてOKというものでもありませんし、あなたの視え方が少しでも快適になるのであれば、ブルーライトカット眼鏡という選択肢は大いにアリだと思います。

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